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農業一口メモ

2025年8月22日 夏秋野菜の草勢回復管理

今年は気温が高く経過しているため、夏秋きゅうりやトマト等の果菜類で、草勢の低下が見られています。今後は、夜温が徐々に低下していくため、夏越しで消耗した草勢を回復させ、秋も継続して収穫できるようにこまめな管理を行いましょう。
夏秋きゅうりでは、中段付近から発生している勢いの強い孫づる等を新しい主枝にして、つる先を上に向けてネットに誘引する主枝更新を行います。更新した主枝の生長を促すため、光を遮っている古い葉を少しずつ取って、十分に光が当たるようにします。また、曲がりなどの障害果は早めに取り除き、取り遅れないようにしましょう。
夏秋トマトでは、8月下旬から9月上旬に摘心し、収穫した果房の1~2枚上までの摘葉とつる下げを行います。9月に入ると、日射量が減少してくるので、草勢を見ながら果房あたりの着果数を3~4個と少なめにして、果実の小玉化を防止します。また、9月中旬頃からは裂果が発生しやすくなるため、徐々にかん水量を減らすことも、重要な管理ポイントになります。
秋の収穫を長く継続するために、夏越し後の管理を適切に行い、草勢の回復に努めましょう。

2025年8月21日 さくらんぼの縮伐・間伐

近年の気候変動の影響を最小限にとどめ、毎年、高品質なさくらんぼを安定して生産するためには、充実した花芽と光合成能力の高い葉をつくる事がとても大切です。
隣の樹との間隔が十分に確保できず、樹冠下に光が届かない場合は、縮伐・間伐を検討します。
一方で、花芽が高温になると、翌年の双子果が発生しやすくなります。そのため、縮間伐で、園地が極端に明るくなり、高温になることが想定される場合には、気温が下がる9月上旬以降に行います。
縮間伐の手順としては、まず、最後まで大事に残す「永久樹」と「間伐樹」を決めます。「永久樹」は、「品質が良く収量の多い樹」を基本的に選びます。ただし、結実を安定させるためには、受粉樹が重要であるため、結実が安定しない園地では、受粉樹を優先して残しましょう。
また、一気に間伐すると空間が空きすぎる場合は、間伐樹の主枝等の大枝を縮伐し、「永久樹」の日当たりを改善します。
品種更新のため、成木の樹冠下に苗木を定植した場合は、苗木の生育を促進するため、周辺の成木を計画的に縮伐・間伐し、日当たりを確保しましょう。

2025年8月20日 長距離飛来性害虫の対策

オオタバコガ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウは、台風や低気圧の通過に伴い、西南暖地から長距離を移動し、県内で急激に増加することがあるため、注意が必要な害虫です。この三種は、野菜や花きなどの多くの作物に卵を産みつけ幼虫が食害します。そこで、被害を出さないため、台風や低気圧の通過後には次の対策を実施してください。
一つ目は、圃場をよく観察し、卵や幼虫を見つけたら取り除いてください。オオタバコガの幼虫は果実、花蕾、新芽などの中に潜んでいる可能性があるので、穴があいていれば果実等を丸ごと取り除きます。また、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウは卵をまとめて産むので、卵塊がある葉などを取り除いてください。
二つ目は、薬剤散布です。成長して幼虫が大きくなるにつれて防除効果が低下するので、小さいうちにていねいに薬剤を散布してください。
薬剤の効きにくい成虫が移動してくることがあるので、薬剤散布後にあらためて観察しましょう。散布4~5日後に小さい幼虫が生きたまま多く見られる場合には、三つ目の対策として別系統の薬剤を散布して被害を抑えましょう。

2025年8月19日 啓翁桜の施肥と防除

今回は、啓翁桜の施肥と防除について紹介します。
啓翁桜は早期に落葉した枝を12月に切り枝促成すると、開花時期が不揃いになったり、開花率が低くなったりします。安定生産のポイントは「11月まで、できるだけ葉を残しておくこと」です。
啓翁桜では花芽の着きが良くなるよう環状剥皮を行うことが多いですが、剥皮した枝では、葉が黄化して、落葉が早まる傾向があります。そこで、早期の落葉を防ぐために、8月下旬までに速効性肥料を施用します。施肥量は、10a当たり窒素成分量で3kg~5kgです。
また、アメリカシロヒトリやマイマイガ、イラガといったケムシ類の防除も重要です。ケムシ類の食害により葉が少なくなると樹勢が衰えます。園地を注意深く観察し、発生がみられたら幼虫の捕殺や薬剤防除を速やかに行いましょう。なお、薬剤防除を行う場合は、農薬の使用基準を遵守するとともに、周辺作物に飛散しないように十分注意しましょう。

2025年8月18日 稲発酵粗飼料の収穫作業

稲発酵粗飼料は、稲の穂と茎葉をまるごと収穫・密封し、乳酸発酵させた飼料です。牛の嗜好性も良いことから、重要な自給飼料の一つとなっています。
稲発酵粗飼料とする稲の収穫は、出穂から概ね30日後の黄熟期を基本とします。この時期の稲は、栄養成分が最も高く、また水分が65%程度となることから、良好な発酵に適した条件となっています。まもなく収穫適期を迎えますので、次の点に注意して収穫の準備を進めましょう。
まず、収穫前は、収穫機械の点検を行うとともに、土や砂の混入による発酵品質の低下を防ぐため、落水時期を早めるなど、ほ場の水の管理に注意しましょう。
次に、雨天時や降雨直後は、稲の水分が高くなり、発酵品質の低下につながることから、収穫を避けましょう。
更に、収穫後の良質な発酵を促すため、ロールを高密度に梱包し、梱包後はできるだけ速やかに、ラップフィルムで六層巻きを基本として密封作業を行いましょう。
なお、ラップフィルムの破損やゆるみは、カビの発生など品質低下につながりますので、輸送時の取扱いには十分注意しましょう。